イキイキごはん
旬の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、料理研究家・川上文代先生がご紹介します。

そら豆の簡単メニュー3品
私が育った館山の特産品で、春先になると毎日のように食べていた“そら豆”。5月が旬で、ビロードのようなふかふかのクッションに覆われ、さやの中には2〜4粒の淡いグリーンのお豆が包まれています。太陽を浴びて空に向かいながら育つため、「空豆・蚕豆」と書いたり、1粒が約3㎝なので「一寸豆」などとも呼ばれています。そら豆は世界中で食べられていますが、イタリアのそら豆「ファーベ」は、日本のものよりも豆が小さく、細長いさやの中に5~6粒入っており、取れたてのものを皮をむいてペコリーノ(塩味のしっかりした羊乳のチーズ)やオリーブ油、黒胡椒をかけて生でいただきます。そら豆独特の風味を堪能していただくため、今回は、他の材料や手をあまり加えずにそら豆自体のうまみを味わっていただくお料理をご紹介します。

- お歯黒部分を取り除き、そら豆の両側に、爪で切り込みを入れる。
- 鍋に水と調味料とそら豆を入れ、ふたをして約10分煮る。柔らかくなったら、ふたを外して程よい味になるまで煮詰める。
- ここが
ポイント! 皮にある黒い筋、「お歯黒」とも言われている部分を下から上に取り除き、爪で切り込みを入れると食べやすく味が染み込みやすくなります。

- そら豆は、さやごと魚焼きグリルで約10分中火強でこんがり焼く。
- さやから出し、塩を混ぜた粉チーズ、オリーブ油をつけていただく。

- そら豆は、約3分塩茹でする(塩は分量外)。ざるに広げてあおいで冷まし、薄皮をむく。
- 米は洗ってざるに上げ30分置く。鍋に米、水、塩、酒を入れてふたをし、沸騰したら弱火にして10分火を通す。火を止めて10分蒸らしたら、(1)を加えて全体を混ぜる。
- ここが
ポイント! そら豆は、さやを取ったあと、生のままだと皮をむきにくいため、一度茹でてからむくのが基本です。塩茹でする際に、切り込みを入れておくと塩味が染み込み、火の通りも早く、むきやすくなります。
辻調理師専門学校卒業後、同校職員として12年間勤務。その間、フランスのリヨン校勤務、3つ星レストラン“ジョルジュブラン”での研修などを経験する。1996年渋谷に開設した「デリス・ド・キュイエール 川上文代料理教室」を拠点に、講演、雑誌、新聞などで活躍中。http://www.delice-dc.com/