イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

大みそかに年越しそばを食べるのは、細く長く長寿でありたいと願うことからです。そもそも「晦日そば」といい、毎月末に食べる習慣が大みそかだけ残ったものです。他にもそばの切れやすいという特質から、今年の苦労や不運を切り捨てて、来年は心機一転したいという願いや、やせた土地でも育つそばにあやかり、強い生命力を授かりたいという願いもあります。
そばはのど越しが良いため、ついつい食べ過ぎておなかが張ってしまうことも。今回のレシピでは消化を助ける大根を合わせ、胃もたれを防ぎます。また、油揚げをカリカリにすることで食感に変化を出し、飽きずに食べられます。そばに合わせたかき揚げは、野菜を全て千切り(薄切り)にし、水にさらして小麦粉と和えるため、衣を作らない簡単な天ぷらです。忙しい年末には簡単料理がいちばん。来年への願いを込めていただきましょう。
1人分146kcal、塩分0g

- ごぼうはささがき、にんじんは千切り、れんこんはいちょう切りのスライス、さつまいもはマッチ棒状、三つ葉は3cmのザク切りにして、さっと水にくぐらせ水気を切る。
- [1]と小麦粉をボウルに入れてよく混ぜる。
- フライパンに揚げ油を入れて火にかけ170℃になったら、食べやすい大きさに成形した[2]を入れる。材料がカリッとするまで揚げる。
天ぷらの種をフライパンに入れた直後は箸で触れないのがポイント。箸で触ってカリッとしたら裏返し、再度カリッとすればできあがり。
1人分323kcal、塩分2.7g

- そばは時間通りにゆでる。
- 大根は千切り、青ねぎは斜めに笹切りにする。
- 油揚げは千切りにしてフライパンで乾煎りし、カリカリにする。
- だし汁・みりんを鍋に入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めて2分ほど沸かし、薄口しょうゆを入れて火を止める。最後に追い鰹(かつお節5g材料外)を入れる。
★後からかつお節を足す「追い鰹」をすると香りとうま味が増し、塩分が少なくても物足りなさを感じません。キッチンペーパーでかつお節を包むと後処理がラクです。 - 大根は水からゆでて、沸騰したら陸上げする。
- どんぶりにゆでたそばと大根、油揚げ、青ねぎを入れ、熱々の[4]を注いでゆずをのせる。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。