イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

春の食材の中で最も季節を感じさせるのがたけのこ。食物繊維が豊富で便秘解消や大腸がんの予防、血糖値上昇の抑制、さらにコレステロールの吸収を妨げて体外に排出する働きがあるため、生活習慣病の予防が期待できます。カリウムを多く含むのでからだの水分バランスを整えてナトリウムを排出し、高血圧の予防やむくみの解消にも効果的。水煮などに見られる白い粉状のものは「チロシン」といい、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料になります。ドーパミンは脳を活性化させ、やる気や目標を達成したときの満足感、興奮などを作り出します。
牛肉にもトリプトファンといわれるアミノ酸が含まれ、脳内物質セロトニンの原料になります。セロトニンは脳神経や自律神経に働きかけて、落ち込んだ気持ちを解消するといわれています。
就職や異動などで環境が変化し、心が落ち着かない春には旬の野菜で穏やかに、すこやかに。
1人分100kcal、塩分1.6g

- 菜の花は固い部分を切りだし、半分に切る。さっとゆでて水に落とし、水気を切る。
- 鍋に酒・水・あさりを入れて火にかけ、口が開いたものから取り出し、殻を外す。
- あさりのだし汁をキッチンペーパーでこし、鍋に入れて火にかけ、しょうゆを入れて沸騰したら火を止め、菜の花とあさりを戻し、さっと混ぜて器に盛りつける。
1人分349kcal、塩分1.9g

- たけのこを穂先と軸の部分に分け、穂先は縦に切り、軸は半月切りにする。
- 鍋にⒶとたけのこを入れて火にかけ、沸騰したら牛肉を入れて水分が無くなるまで強火で煮る。
- 鰹節を耐熱容器に広げてふたをしないでレンジにかけ(600w1分)、手で揉んで粉状にする。
- [2]に[3]を入れてよく混ぜ、器に盛りつけ木の芽を散らす。
たけのこの下処理
材料:鷹の爪1本、米ぬかひとつかみ
①たけのこの穂先を斜めに切り落とし、縦に2〜3cmの切り目を入れる。鍋に材料とかぶるくらいの水を入れて火にかける。
②沸騰したら落としぶたをして、弱火で40分~1時間ゆでる。
③根元に竹串を刺してスッと通るようになったら火を止め、そのまま冷ます。
④たけのこが完全に冷めたら水洗いし、縦に入れた切れ目から指先を入れて皮をむく。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。