イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

1月はおせちなどで味の濃いものを食べがちですので、今回は薄味で華やかなお料理をご紹介します。
黄色い卵にエビのそぼろを入れた、彩りよいだし巻きは、うま味が強く、調味料が少なくてもおいしくいただけ、減塩につながります。エビの赤い色は、「アスタキサンチン」といわれる抗酸化成分で老化防止に。さらに、強力な抗酸化作用のある脂溶性のビタミンEも比較的多く、体内で不必要に発生した活性酸素の除去や、血圧を下げる効果も期待できます。末梢血管を広げて血行を促進し、肩こりや腰痛、冷え性の改善、またホルモンのバランスを整える働きもあり、更年期症状や生理不順などにもおすすめです。ちなみにイクラの赤い色もアスタキサンチン。料理を彩り、体を潤す優秀食材です。
魚卵は総じてプリン体が高めですが、イクラは100g中16mgと低いため尿酸値の高い人も安心です。筋子を買ってきて自家製のイクラのしょうゆ漬けを作れば塩分も抑えられます。
縁起の良い鯛もお正月には定番の魚。生・蒸す・焼くなどが一般的ですが、今回は2種の衣で揚げました。淡白な味の鯛を風味と食感でおいしく楽しめます。薄味だけど、栄養価の高い華やかなお料理で2019年もすこやかに!
1人分51kcal、塩分1.0g

- 筋子をボウルに入れて50℃のお湯を注ぎ、菜箸などでよく混ぜて皮を外す。
- Ⓐを合わせて鍋に入れて火にかけ、沸騰したらそのまま冷まし、水気を切った[1]を入れる。
- 大根とにんじんを塩水に浸し、しんなりしたら水気をよく絞り、合わせたⒷに漬ける。
- 食べるときに[3]を器に盛りつけてイクラを10gほどのせ、ゆでて1cmに切った軸三つ葉を飾る。
筋子をほどくときは50℃のお湯に入れて菜箸などでほぐすと、膜がうまく取れる。お湯でイクラは白くにごるが、しょうゆの入った漬け汁につけると、塩味でつややかな透明に戻る。
1人分264kcal、塩分0.4g

- 鯛は一口大に切って小麦粉・卵白をまぶし、半分は砕いた白焼きあられを、残りは道明寺粉をまぶす。
★道明寺粉:水に浸して蒸したもち米を干して砕いたもの。桜餅に使う。 - 揚げ油を170℃に熱して[1]を色が付くまで揚げて、塩を振る。
1人分370kcal、塩分1.1g

- エビは背ワタと殻を取り、包丁で細かく刻み、鍋に酒と一緒に入れて水分が無くなるまで炒りつける。
- ボウルに卵を割りほぐし、だし汁・淡口しょうゆ・[1]・同量の割合で溶いた水溶き片栗粉を入れてよく合わせる。
- だし巻き用のフライパンにキッチンペーパーで油を塗って弱火にかけ、[2]の卵液を1/3量流し入れて半熟状になったら手前から巻き込む。これを3回繰り返し巻き上げる。
- 巻きあがったら巻きすに取り、形を整える。
- 粗熱が取れたら食べやすい大きさに切り出し、器に盛りつける。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。