イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

メバルは春告魚ともいい春が旬の魚です。脂質は100gあたり3.5gと少なく、高タンパク・低カロリーの白身魚です。脂質が少ないぶん消化吸収がよく、効率的にタンパク質を補充できます。このことから、病中病後の体力回復にも効果的で、高齢者やダイエット中の人にも適した食材といえます。骨ごと食べない魚の中ではカルシウム量(100gあたり80mg)は多く、骨粗しょう症の予防に効果があります。
独活(うど)や木の芽も春を代表する香味野菜です。独活は神経痛や冷えを取る生薬としても使われています。カリウムも多く含むので高血圧や心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などの予防も期待できます。
ワカメのヌルヌル成分は水溶性食物繊維で主にアルギン酸とフコイダンです。アルギン酸は血圧や血液中のコレステロールの上昇を抑える働きもあります。フコイダンには血栓予防作用や、コレステロール低下作用、抗ウイルス作用などがあります。
1人分 140kcal、塩分2.7g

- メバルは内臓と鰓や鱗を取り、熱湯にくぐらす。
- 独活は半分をマッチ棒状に、残りの半分は千切りにする。
- 鍋にメバルと酒・水を入れて火にかける。沸騰したら火を弱め、メバルの目が白くなってきたら、砂糖と醤油を入れて5分ほど煮込み、独活を入れて火を止める。
- [3]を盛りつけ煮汁をかけ、木の芽をちらす。
煮魚を上手く仕上げるには「霜降り」という、熱湯に魚をくぐらせる工程が必須です。取りきれなかった鱗やぬめりを取り、魚の生臭みを無くします。
1人分 92.4kcal、塩分0.83g

- ワカメは水戻しし、熱湯にくぐらせて冷水に落とす。水けを切り2cm角に切る。
- 油揚げは千切りにし、弱火のフライパンでカリカリにしておく。
- 貝割れ大根は3cmの長さに切る。
- オリーブ油・酢・おろし生姜を合わせておく。
- 器にワカメを盛りつけ、シラス・油揚げ・貝割れ大根を盛りつけ、[4]をかける。
塩蔵ワカメは熱湯にくぐらせると綺麗な色が出てきます。水だけで戻したときよりも食感もよくなります。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。