イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

鰤(ぶり)は青魚でEPAやDHAを多く含みます。これらの多価不飽和脂肪酸は脳を活性化させ学習・記憶能力の向上に役立つほか、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす一方、善玉コレステロールを増やす働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病など生活習慣病の予防効果があるとされています。魚のもつビタミンD3はカルシウムやリンの吸収を助けるとともに骨の形成を促す働きがあり、骨粗しょう症に効果があるとされています。最近ではビタミンDがインフルエンザ予防や体内のカルシウムを調整するなど、健康との関係が分かってきており、注目度の高いビタミンです。
副菜の白和えは、水分を切って揚げてある厚揚げを使うため、潰すだけで和え衣になります。練りごまを入れることでしっとりと風味よく仕上がり、柿の甘みがアクセントとなっています。秋を楽しむメニューで健康管理も万全に。
1人分 320kcal、塩分2.8g

- 鰤の切り身は熱湯にくぐらせて水に落とし、うろこや汚れを洗い流して水けを切る。
- 大根は1cmの輪切りにし、耐熱皿に入れてラップをし、柔らかくなるまでレンジにかける(600wで5分)。
- 鍋に水と酒、砂糖と[1]の鰤、[2]の大根を入れて火にかけ、鰤に火が通ったらしょうゆと水菜を入れて火を止め、器に盛りつけてゆずを振る。
魚を煮たり、蒸したりする場合には、必ず熱湯にくぐらせてうろこや汚れを取ってから調理します。この作業で臭みがなくなり、おいしく仕上がります。
1人分 91kcal、塩分0.97g

- 厚揚げは表面を切り取ってすり鉢ですり、取り除いた部分は細かく刻む。
★厚揚げは潰れるくらいでOK - ごぼうは笹がき、にんじん、こんにゃくは短冊に切って、熱湯で湯がく。
- 柿はにんじんと同じ大きさに切る。
- ボウルに[123]と練りごま、薄口しょうゆ、茹でて2cmに切った三つ葉を入れてよく和え、器に盛りつける。
豆腐で白和えを作ると水切りが大変です。厚揚げで白和えを作ると水切りの時間を省け、コクのある白和えになります。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。