イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

初鰹は5月が旬。脂っぽくなくて旨みが強く、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンEが豊富です。また「血合い」の部分にはビタミンB12、ナイアシン、鉄、そしてタウリンをたくさん含んでいます。タウリンは、血液中のコレステロールを減らし、血圧を下げる作用がある成分です。また、肝臓の働きを助け、疲労回復に効果があります。
魚の油は酸化しやすいため、高温の加熱はおすすめできません。今回は、調味料を叩いてなじませる「たたき」に仕上げ、上には抗酸化作用のある大葉や生姜、貝割れ大根などの野菜をたっぷりのせました。
副菜のスープにも抗酸化作用の高いトマトジュースや味噌を合わせ、具材には、からだの余分な塩分を排出するカリウムを含んだじゃがいもを入れました。食材の持つ特徴を生かしたメニューです。
※ファイトケミカル・・・植物が持つ抗酸化作用のある機能性成分
1人分 78kcal、塩分1.6g

- しょうゆとレモン汁を合わせておく。
- 生姜はみじん切り、大葉とレタスはせん切り、貝割れ大根は長さ2cmに切ってよく混ぜる。
- 鰹は1cm幅に切り、バットなどに広げて[1]をかけ、手でなじませる。
- [3]の鰹を皿に盛りつけてごまを振り、[2]をのせる。
鰹のたたきは、藁で鰹の表面を焼いて冷水に落とすたたきと、調味料を叩いて浸み込ませるたたきがあります。今回は焼かずに薬味たっぷりに仕上げて抗酸化力を高めました。
1人分 140kcal、塩分2.0g

- 新じゃがいもは皮をむいて1cmのさいの目に切る。新玉ねぎ、セロリもじゃがいもと同じ大きさに切る。ベーコンは5mm角に切る。
- 鍋に水とベーコン、じゃがいもを入れて弱火にかけ、じゃがいもに火が通ったら玉ねぎ、セロリ、トマトジュースを入れる。
- [2]が沸騰したら味噌を溶き入れて火を止め、器によそって刻んだパセリを振る。
★味噌を加えてトマトジュースの持つ抗酸化力をUP! 初夏の紫外線対策にぴったりです。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。