イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

春が旬のあさりは、鉄分やビタミンB12などの血液に関わる栄養素を含み、貧血気味の方におすすめ。またタウリンも豊富で肝機能を高め、疲労回復効果があります。
春キャベツはβカロテンが多いのが特徴です。ビタミンUという消化を促進するビタミンも含んでいます。一方、長時間加熱すると栄養効果を失ってしまうため、調理の際はキャベツは最後に入れましょう。
今回のメニューでは、旬のあさりと春キャベツに雑穀ごはんを合わせ、リゾットに仕立てました。雑穀ごはんはポリフェノールやビタミンB群、食物繊維を含み、血糖値を急激に上げません。生活習慣病が気になる方は白米より、雑穀米や麦ごはん、分づき米を選ぶとよいでしょう。サラダの帆立貝も、ビタミンB12や亜鉛などを含み栄養満点で低カロリー。また、旨味が強く減塩にもつながります。からだも喜ぶ春のメニューはいかがでしょうか。
1人分 106kcal、塩分0.7g

- 貝柱と酒を耐熱容器に入れてラップをし、レンジ(600W 1分20秒)にかけ、粗くほぐす。
- オレンジは房を取り、キウイは皮をむいて7mm程度のいちょう切り、玉ねぎはみじん切りにする。
- [1]で出た煮汁と貝柱、オレンジ、キウイ、玉ねぎ・オリーブ油をよく和え、器に盛りつけて、刻んだパセリを振る。
★貝柱と一緒に加熱した酒(煮汁)には旨味がたっぷりです!
1人分 246kcal、塩分2.2g

- あさりは砂抜きをしてよく洗い、鍋に酒と一緒に入れて火にかけて蓋をし、あさりの口が開いたものからすぐ取り出し、身をはずす。
- 玉ねぎと生姜はみじん切り、キャベツは2cm角のザク切り、パプリカは5mm角のさいの目に切る。雑穀ごはんはザルに入れて水で洗い、水けをきる。
- 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら玉ねぎと生姜、しょうゆと洗った雑穀ごはんを入れ、再度沸騰したらあさりの身とキャベツ、パプリカを入れて火を止める。
- 器に盛りつけ、刻んだパセリを振る。
炊いたごはんはデンプンの粘りがあるため、リゾットにすると口当たりが悪くなります。冷水でごはんを軽く洗うと、ぬめりと余分な粘りけが取れて、サラッとした口当たりに仕上がります。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。