イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

暦の上では春ですが、まだ寒さが厳しい2月。寒い日が続き、体力が落ちてきたときにおすすめなのが牡蠣です。牡蠣は食材の中で最も亜鉛を多く含み、成長ホルモンの分泌を促進し、味覚を正常に保ちます。ほかにも細胞の新陳代謝の促進、皮膚や髪に潤いを与え、免疫力UPに精力増強、美肌効果などなど。亜鉛自体には抗酸化作用はありませんが、活性酸素を除く酵素の主原料となり抗酸化力を高めます。また牡蠣は、栄養価が高い割にカロリーが低いのもうれしい要素。肝臓の働きをサポートするタウリンも豊富で、デトックス効果や疲労回復にも効果が期待できます。さらに春菊と副菜に使ったセリもデトックス効果のある野菜です。
だし汁に入れた大根おろしは加熱すると甘さが増し、なかなか冷めにくいため鍋にぴったりです。たっぷり食べても低カロリーの鍋はからだを温め、免疫力を高めます。
1人分 177.1kcal、塩分2.9g

- 牡蠣を大根おろしの汁でよく洗い、水けをきり、塩・こしょうを振って片栗粉をまぶす。
- 土鍋などにだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら淡口しょうゆと①、大根おろし、春菊を入れて蓋をし、煮立ったら細かく切ったゆずを入れる。
大根おろしやその汁で牡蠣を洗うと、襞の中にある汚れや汚れについている臭みを取ることができます。
牡蠣の表面に片栗粉をまぶすと、加熱したときに栄養素とうまみを溶け出しにくくし、つるりとした口当たりでのど越しもよくなります。
1人分 33kcal、塩分1.3g

- セリは根を切ってよく洗い、熱湯で茹でて水に落とし、長さ2cmに切る。
- ボウルにセリ、すりごま、淡口しょうゆ、だし汁を入れて、もみ込むようによく和える。
セリなどの青菜のごま和えは、和えてから手でよく押しもみすることで味がよくなじみます。ラップを敷いて押しもみすると、手が汚れません。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。