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イキイキごはん

季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

免疫力UP!いきいき旬ごはん vol.10

冬の旬食材で2017年も免疫力アップ!

鰤は秋刀魚や鯖などと同じく、からだに良いと言われているDHAやEPAを含みます。これらはコレステロール値を下げて血流の流れを良くし、血栓をできにくくする働きもあり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを防ぐとされています。認知症予防にも効果があるため、高齢の方には積極的に食べていただきたい魚です。

今回、鰤と一緒に煮た「酒粕」は、栄養価が高く、たんぱく質や炭水化物、食物繊維、ビタミン類、有機酸、ミネラルのほか、ペプチドやアミノ酸、酵母菌由来のβ‐グルカン、葉酸なども含みます。

また、体内の消化酵素では消化されない「レジスタントプロテイン」というたんぱく質も含み、余分な脂質やコレステロールを吸収して排出するため、体脂肪やコレステロールの低下が期待できます。粕煮はコレステロール値が気になる方に、とくにおすすめのメニューです。

七草粥はお正月でご馳走を食べすぎて疲れた胃を癒すメニューです。今回はでんぷんの消化を促す大根を入れました。七草そろわなくても大根の葉やかぶの葉、セリだけでも解毒効果が期待できますよ。また、大根の皮や葉も栄養価が高いので、きんぴらにして副菜にしました。旬の大根を丸ごと食べて免疫力をアップさせ、新年も元気に過ごしましょう。

1人分 391kcal、塩分1.31g

鰤・・・2切	
酒粕・・・50g
酒・・・100cc
水・・・200cc
味噌・・・40g
みりん・・・20cc
にんじん・・・20g
セリ・・・10g
ゆず・・・少々
  • 鰤を熱湯にくぐらせて水に落とし、水けをきる。にんじんとゆずはあられ切り、セリは小口に刻み、にんじんはさっと茹でる。
  • 鍋に水、酒と鰤を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱め、鰤に火が通ったら酒粕、みりん、味噌を入れてとろみが出たら火を止める。
  • 器に盛りつけ、にんじん、ゆず、セリを振る。
 
酒粕は、酒やみりんなどでよく溶いて使うとダマにならず、滑らかに仕上がります。

1人分 175kcal、塩分0.51g

丸もち・・・2個
米・・・50g
大根・・・100g
大根の葉・・・30g
水・・・350cc
塩・・・1g
ゆず・・・少々
  • 米をよく洗い、水と一緒に鍋に入れて火にかける。
  • 沸騰したら火を弱め、米がやわらかくなったら、もちを入れる。
  • 大根は皮を厚くむいてせん切りにして[2]に入れ、大根に火が通ったら塩と細かく刻んだ大根の葉を入れて火を止める。
  • 器によそい、刻んだゆずを振る。
 
大根の皮は厚めにむいて使うことがポイント。

1人分 180kcal、塩分2.93g

大根の皮・・・200g
大根の葉・・・100g
ごま油・・・大さじ2
鷹の爪・・・1本
しょうゆ・・・大さじ2
みりん・・・大さじ3
ごま・・・少々
  • 大根の皮は繊維に平行に、長さ4cmのせん切りにする。
  • 大根の葉は長さ5mmに切る。
  • フライパンにごま油を敷き、種を除いた鷹の爪を入れて火にかけ、大根の皮と葉を入れてよく炒める。しんなりしたら、しょうゆ、みりんを入れて炒め、水分がなくなったら火を止めてごまを振り、器に盛りつける。

材料 6杯分 1杯70kcal

酒粕・・・100g
砂糖・・・50g
水・・・800㏄
生姜汁・・・40㏄

お料理で酒粕が余ったら、甘酒にしてみましょう。
※できあがった甘酒は、アルコールを含んでいますので注意

  • 鍋に水と砂糖、ちぎった酒粕を入れて10分ほどおき、酒粕がやわらかくなったらよく溶いて火にかける。
  • 沸騰したら火を弱め、3〜4分ほど煮て火を止めて器に注ぎ、生姜汁を落とす。

堀 知佐子

堀 知佐子

管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。

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