イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

鰯は通年出回っていますが、丸々太っておいしいのは梅雨時期です。鰯は血液の流れを良くするといわれるEPAを多く含み、生活習慣病予防に役立つといわれています。梅干しを入れて煮ると生臭みが抑えられ、苦手な方でもおいしく食べられます。
梅干しに含まれるクエン酸やベンズアルデヒドには微生物の繁殖を抑える効果があり、食中毒の原因になる菌を殺すとされています。また、クエン酸は疲労回復やカルシウムの吸収をよくする働きもあり、骨の弱い子どもや高齢者のカルシウム不足にも梅干しはお勧めです。
副菜の味噌ヨーグルトづけは、切った野菜を漬け込むだけの簡単漬物。味噌は代謝に関わるビタミンB群や抗酸化作用のあるメラノイジンを含みます。梅干しや味噌は日本が誇る伝統素材。塩分は気になりますがうまく取り入れたい素材です。
1人分 333kcal、塩分1.7g

- 鰯は頭と内臓を取り除き、よく洗って水けをきる。
- 鍋に1cm幅に切った昆布とつぶした梅干し、[1]と酒、水を入れて火にかける。
- 沸騰したらアクを取り、落し蓋をして水分がほぼなくなるまで煮上げる。
- 器に鰯と昆布、梅干しを盛りつける。
最初からすべての材料と調味料を入れて火をつけます。
鰯の下に昆布を敷くことで、鰯の皮が鍋底につかずきれいに仕上がります。梅干しも最初からつぶして入れることで味が広がり、調味料を使わなくてもおいしくでき上がります。
1人分 52kcal、塩分1.9g

- セロリ、にんじん、大根は長さ4cm、7mm角の拍子木切りにする。
- ビニール袋に味噌とヨーグルトを入れてよく混ぜ、[1]を入れて20分ほど漬け込む。
- 野菜がしんなりしたら器に盛りつける。
材料を同じ大きさに切り揃え、味噌とヨーグルトを同量混ぜ合わせてから漬け込みます。
野菜は味噌の塩分のみでしんなりし、ヨーグルトの酸味が乳酸発酵した風味を醸し出します。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。