イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

春キャベツは、冬に収穫されるキャベツよりも緑色で、葉肉も薄く、柔らかいという特徴があります。胃の粘膜を再生・強化するビタミン様物質ビタミンUを含み、胃炎や胃潰瘍などの予防に役立ちます。また、ビタミンKも含み、出血した傷口をふさぐ血液凝固作用のほか、骨にカルシウムが沈着するのを助けるはたらきにより、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。芯や外側の葉に栄養が豊富なので、余すことなく食べましょう。
キャベツの抗酸化作用は、ブロッコリーやアスパラガスに並び野菜の中でもトップクラス。この理由の一つに、ビタミンCが豊富なだけでなく辛み成分「イソチオシアネート」が含まれていることも挙げられます。煮込むことでうま味や栄養素が煮汁に溶け出すため、スープごと食べられるメニューは、栄養を余すことなく摂ることができます。
1人分 92kcal、塩分1.3g

- キャベツは千切り、ベーコンは細かく切る。
- [1]を鍋に入れて弱火にかけ、キャベツがしんなりして水分がなくなったら火を止め、こしょうを振って、器に盛り付ける。
春キャベツは水分が多いので、水を使わずに弱火でじっくり蒸し煮込みすることで、甘く仕上がります。ベーコンの塩分だけでも十分おいしくでき上がります。
1人分 223kcal、塩分1.3g

- サーモンは包丁で細かくたたく。
- 玉ねぎ・しいたけはみじん切りにし、[1]と混ぜ合わせる。
- [2]に味噌を入れてよく練り合わせる。
- キャベツを広げ、葉の方に丸めた[3]をのせ、手前から包む。
- 鍋に[4]とだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱め、淡口しょうゆ・みりんを入れて7分ほど煮込み、水溶き片栗粉でとろみをつける。
- [5]にしょうが汁を入れてひと煮立ちさせ、器に盛り付けて刻み木の芽を振る。
キャベツは茹でこぼさず、生のまま巻き込みます。柔らかい春キャベツなので割れることなく巻くことができ、水溶性ビタミンも逃さず食べることができます。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。