健康コラム

賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.85

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

紹介状のコピーをもらうためになぜ高い手数料がかかるの?

相 談私(53歳・女性)は8年前に膠原(こうげん)病を発症し、診断を受けた病院にずっと通院してきました。ところが担当医が異動になると知ったので、専門医がいる別の病院に転院することにしました。そこで、これまでお世話になった医師に紹介状を書いてほしいと頼みました。すると厳封された封書を渡され、その日の医療費の領収書の明細には「診療情報提供料」という項目の点数が記載されていました。

私は患者会に入っているので、患者会の人に「紹介状に書かれている内容は私の個人情報だから持っていく前にコピーしておきたいんだけど、開けてもいいですよね?」と聞いてみました。すると「厳封されているのを勝手に開封したらいけないと聞いたことがある。持っていく病院で見せてもらったら?」と言われたのです。

そこで、転院を希望している病院に電話をかけ、「今度そちらに持参する紹介状のコピーはいただけますか?」と確認してみました。すると、「情報開示の一環ですので、基本的な手数料3,000円とコピー代をいただきます」と言われたのです。数十円のコピー代ならまだ理解できますが、なぜ診療情報提供料を支払って書いてもらった私の情報のコピーをもらうのに3,000円も払わないといけないのでしょうか。納得いきません。

回 答山口育子(COML)

紹介状は正式には診療情報提供書と呼ばれ、診療情報提供料という保険点数が定められています。厳封されている場合、勝手に開封すると内容の信用性が低くなってしまいます。また、厳封した封書に切手を貼って郵送すれば「信書」になるので、その場合は宛先以外の人が勝手に開封すると「信書開封罪」という刑法上の罪に問われることもあります。

渡した先の医療機関でコピーを依頼した場合の扱いは医療機関の判断によって異なる可能性はあります。その医療機関宛てに作成された情報なので、カルテ開示と同様の情報開示請求と位置付けられれば、医療機関の決めた費用請求は可能です。診療情報提供書の開示請求も情報開示の項目に明記された決まりがあるかどうか医療機関に確認してみてはどうでしょう。

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/

電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え

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