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対談・イベントレポート

―健康保険組合全国大会― 全国大会レポート/令和4年度 健康保険組合全国大会

―健康保険組合全国大会― 全国大会レポート

令和4年度 健康保険組合全国大会

 健康保険組合連合会は10月18日、東京国際フォーラムで「令和4年度健康保険組合全国大会」を開催した。昨年度に引き続き、来場参加とオンライン参加によるハイブリッド形式で実施。「─健康保険法制定100年─ これからも健康を支え、皆保険を守る健保組合であるために」をテーマに、▽現役世代の負担軽減、全世代で支え合う制度への転換▽国民が身近で信頼できる「かかりつけ医」の推進▽オンライン資格確認などICT化の推進による医療の効率化・質の向上▽健康寿命の延伸に向けた保健事業の更なる推進─の4つのスローガンにもとづく決議(pdf)を健保組合関係者の総意として採択した。


宮永俊一会長

 健保連の宮永俊一会長は基調演説で、急増する高齢者医療費を減少が加速する現役世代だけで支えていくことは「もはや不可能」と指摘し、「負担能力に応じ皆が支え合う全世代型社会保障制度への転換を強力に進めていく必要がある」と訴えた。健康保険法制定から100年を迎えるなか、これからの100年も加入者の健康と安心を支え安全・安心な医療を受けられる国民皆保険制度を堅持し、未来に引き継ぐことは健保組合・健保連の使命と主張。団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年が目前に迫るなかで、「給付は高齢者、負担は現役世代中心という、これまでの社会保障の構造を見直すことは待ったなし」と強調し、現役世代の負担軽減へさらなる改革の早期実現を求めた。


伊佐進一厚生労働副大臣

 大会には、伊佐進一厚生労働副大臣が出席し、あいさつした。「全世代型社会保障」の構築を重要課題と位置づけ、すべての世代で給付と負担のバランスを確保した安心できる制度の構築が要求されると主張。医療保険制度の見直しに向けて本年を「次の世代」に向けた「改革元年」と捉え、厚労省としても全力で取り組むと強調した。

 また、自民党の「国民皆保険を守る国会議員連盟」会長代行・幹事長を務める丸川珠代参議院議員が国会議員を代表して大会に出席し、あいさつした。丸川議員は、全世代型社会保障の構築に向けて、改革がいかに重要であるかを強調し、国民皆保険制度を維持するためには、「現役世代の負担軽減と制度の中核を担う健保組合における保険者機能の発揮は不可欠である」と述べた。公明党代表の山口那津男参議院議員、立憲民主党代表の泉健太衆議院議員、国民民主党代表の玉木雄一郎衆議院議員、日本維新の会代表の馬場伸幸衆議院議員の4氏からはメッセージが寄せられた。
 被用者保険関係団体からは、日本経済団体連合会の本多孝一社会保障委員会医療・介護改革部会長、日本労働組合総連合会の芳野友子会長、全国健康保険協会の安藤伸樹理事長、日本商工会議所の三村明夫会頭、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事の5氏からメッセージが寄せられた。

 大会の最後には特別企画として、全世代型社会保障構築本部の総括事務局長を務める山崎史郎氏が、「全世代型社会保障制度の構築に向けて」をテーマに講演。人口減少・少子化と高齢化の課題や構築本部における議論を解説したうえで、人口減少時代の社会保障のあり方を論じた。

 健康保険法制定100年の節目に開催された本大会は、健保組合が健康保険100年の歴史を支えてきた実績を内外に示すとともに、国民皆保険制度を守るため、改革の早期実現に向け団結して取り組む決意を表明するものとなった。


決議を手交する宮永俊一会長(左)
伊佐進一厚生労働副大臣(右)

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