対談・イベントレポート
イベントレポート
健康みらいトーク in 岐阜
健康・安心・元気なみらい
健康保険組合連合会岐阜連合会主催、岐阜新聞・ぎふチャン共催の「健康みらいトークin 岐阜 ?健康・安心・元気なみらい?」が4月2日(日)、じゅうろくプラザ 2階ホールにて開催された。主催者を代表して、健保連岐阜連合会会長で十六銀行健保組合の田口節常務理事があいさつ、厳しい時代のなか、国民皆保険制度を守り、組合員一人ひとりの幸せにつながるよう健康の輪を広げていこうと訴えました。
イベント第1部は、衆議院議員 野田 聖子氏(自由民主党)とスポーツプロデューサー三屋 裕子氏による「これからの社会保障を考える」と題したトークセッションを実施。和やかな雰囲気のなかで元気でいるための健康法や平均寿命と健康寿命の違いなどについて、女性ならではの視点から意見交換した。
イベント2部では、三屋 裕子氏による特別講演「三屋 裕子の健康寺子屋」を実施。こころとからだの健やかさのために主宰する健康寺子屋での活動を中心に、家でも簡単に実践できる体操やストレッチを紹介した。
【トークセッション】 これからの社会保障を考える
~自分の体に興味を持つ事から健康生活をはじめよう~
- スポーツプロデューサー/
元全日本バレーボール選手
三屋 裕子 氏
1958年福井県勝山市出身。八王子実践高から筑波大学を経て日立に入社。ロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得、引退後は教職の道に転身、全日本ジュニアチームコーチ、Jリーグ理事、日本バレーボール協会理事、政府各種委員会委員などを務めた。現在は日本スポーツ少年団副本部長、日本バレーボール協会評議員、日本バスケットボール協会副会長等を務める。スポーツプロデューサーとして「健康寺子屋」を発起し、東日本大震災後は被災地の健康支援を積極的に行っている。
- 衆議院議員
野田 聖子 氏
1960年生まれ。上智大学外国語学部卒業後、帝国ホテルに入社。1993年の初当選以降、衆議院議員として連続8期当選。郵政大臣、消費者行政推進担当大臣、宇宙開発担当大臣、自民党総務会長などの重要な役職を歴任。現在は衆議院災害対策特別委員長を務める。
今回のトークセッションですが、僭越ながら私が進行役という事で、質問させていただきながらお答えいただく形で進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
さて、聖子さんの事は、いろいろな会合でお見かけする機会が多いのですが、いつ見ても姿勢も良くお元気でサクサクと歩かれる。何かご自身で健康に留意されている事はありますか。
1つあげるとすれば毎朝体重を計っている事ですかね。あと3kgやせたいと思っていて、目安として前日よりも超えていたら、その日は少しセーブします。若干減っていたら、多少食べていいのかなと思ったりします。体重をある程度維持させる事が、自分の健康法だと思います。
これをやると次の日、体重を超えてしまう事が多いと感じるのはどんな時ですか?
昼と夜とガッツリごはんを食べてしまう時ですね。議員は職業柄、夜も外食が多くなります。とくに、経営者の方などとの会食では、夜にお酒を飲みながらの食事になります。レストランなどの食事はカロリーが高いですよね。私はお酒も好きなので、なるべく休肝日を設けようとスケジュールを組むのですが、どんどん埋まってきて結局一日も休肝日がなくなる事が多いです。そのため、議員という職業は、自分で自分の体をコントロールしづらいように思います。私は日記をつけていて、そこに体重も全部書いていますが、この10年くらい変わってないんです。毎日、体重を意識しているおかげかも知れませんね。でも、裕子さんも本当にかっこいいですね。引退されるとアスリートの方は太りやすいって聞きますけど。
引退して最初に就いた職業が先生だったからでしょうね。言葉だけでは教えられないので、みんなと一緒に動けるように体を調えたのが、今につながっていますね。聖子さんは、なにか運動をしていますか?
それが全然、やってるのは選挙運動ぐらいですかね。冗談はおいといて、最近は5歳になる息子がやんちゃざかりで・・・。今朝も彼にパンツを履かせるのに、家中を走り回わりました。こんな毎日が効いているのか、最近「ヤセたね」と言われます。ヤセたっていうより、確実に締まってきているんですね。
昔は「家事労働」って言っていたんですけど、重労働だったんですね。洗濯したり、掃除したり、買い物したりと。今は、便利になって家事労働も軽くなった分、どこかで体を動かないといけないのかもしれません。
犬と子どもの共存が一番いいなと最近思っています。子どもと犬は、家の中を散らかし、母はそれを掃除する。仕事が終わって帰宅して、子どもが寝るまでやっています。このおかげで体重を維持できているかのかもしれません・・・。
ちょっと話をまじめに戻すと、私はほとんどお医者さんに行きません。
でも、必ず1年を通してやっているのが月1回の婦人科でのチェックです。女性の場合はホルモンとの戦いですので、毎月チェックしています。そして年1回は、旦那と一緒に人間ドックを受けています。歳をとってもお互い健康には留意しています。一緒に同じ病院で受診する事で、毎年の数値も簡単に比べ合う事ができて、励まし合うことができる。これがお互いの健康のために大切だと思います。
それはいいですね。いろいろなアンケートがあって、手に入れたいもの、欲しいものを尋ねると、ベスト3のなかに必ず「健康」が入っている。ただ、間違えてはいけないのは、健康そのものを目的にしてはいけないという事です。極端に言えば、「健康になれるなら死んでもいい」っていう訳の分からない事にならないようにしてください。
健康というのは、何かを守らなければならない、何かのためにそうありたいって思うと健康になれるけど、とりあえずとかなんとなくでは、なかなかポジティブに取り組めない。聖子さんのように、息子さんやご主人といった確実に守らなければならないものがあって、今まで以上に健康に対する意識レベルが高くなっている。そうなると何かこれをやろうというものが見つかってくるものです。
そうですね。人間ドックに行けば、必ず何かが見つかるという事ではないですが、体の状態が数値化されるので客観的に自分の体を知る事ができますね。
自分の体に興味を持つ事はとっても大事ですね。先ほどの体重の話もそうですが、自分の体重が今何kgかわからないではなく、自分は今何kgでベスト体重まであと何kg、だからこういう生活をしようとすることが大切です。1つ軸が決まると、そこに向かっていろんな事が決まってくるものなんですね。
あまり突き詰めてストイックにならずに、気軽に試してみてもいいかもしれませんね。
女性活躍の時代に応じてさまざまな配慮と健康寿命の理解促進を!
国会でも女性議員が増えてきたようですが、国会内で女性ならではの取り組みがあるのでしょうか?
女性活躍推進法がスタートしています。これは働いている女性のための法律ですが、その前に元気で健康でいる事が大切です。
スポーツの世界などは別にして、どうしても仕事は男性が中心で、女性が健康で働くための取り組みがなかったことが問題でした。
例えば、人間ドックの受診項目にしても、体重・身長・血液検査などは標準ですが、乳がんや子宮がんは入らない。別途受診して追加料金も結構かかるとなると、受診しなくなってしまう。世界のなかでも日本は婦人科検診の受診率が低い。男性のメタボや禁煙にはすぐ保険を適用するけれど、こうした女性の病気に適用することは遅れていると思います。
一方で、日本の平均寿命は世界トップクラスですよね。男性は80歳の大台に乗りましたし、女性に至っては約87歳です。公衆衛生の進化、医学の発達や薬も良くなって寿命が延びてきたんだと思いますが、それですべてがハッピーというわけではないんです。日本は長寿の国になっているけれど、健康長寿ではない。今までは寿命の長さを競ってきたけれど、これからは質の高い健康寿命をいかに延ばすかが課題となります。
今、裕子さんがおっしゃったのは、単に長生きすれば良いというのではなく、元気なままのあなたで長生きをしていくことが大事。
つまり、寝たきりや介護が必要な状態での長生きではなく、元気な状態の健康寿命が長いことが幸せだということです。
本当にそうですね。
ここ岐阜県の健康寿命は、男性で71.4歳、女性で74.8歳です。平均寿命との差は男性で約8.5歳、女性で約12歳です。つまり、皆さんが一番過ごしたくない年数が、このまま何もしなければ12年もあるということです。でも、心配はいりません。自分で意識を持って、早期発見、予防に努めていけば健康寿命を延ばすことができるんです。
やっぱり、自分が元気だからいろんな事ができるし、人生を楽しむ事ができます。年配の方はとくにそうですが、今までは我慢することが美徳とされてきました。でも、医療の世界では我慢しないことが主流になってきています。少し痛いところを我慢していると、どんどん悪くなる。医者に行くことで、軽い治療で済むし、医療費も安くて済む。やはり我慢することは体に良くないし、少しでも異変を感じたら医者に行けるのが、健康保険の良いところです。
そのためには、最初に聖子さんがお話したように、毎日ほんの数分でも、体重など自分の体を意識する事はとても大事です。自分をチェックするのは良い健康法ですね。聖子さんは見事にセルフコントロールできているなと感じました。息子さんの世話をすることで身体的な活動量も高く、何よりも定期的な健康診断と人間ドック、毎日のチェックは素晴らしいと思います。最後に何かありますか?
健康って、そんなに堅苦しい事ではなく、自分が楽しいことがしたい、そのためには健康でいないといけません。家族と笑顔でいるためにも健康が一番大事。食事にしても、自分が何歳まで生きると考えると、あと何回食べられるかが分かります。そう思うと一食一食を大事にしたい、そして一日一日を大切にしようと思う。そうすると自然に毎日の自分をチェックできるし、それが健康につながると思います。
同じ女性として、これからも働く多くの女性の声を国会に届けてください。今日はありがとうございました。
三屋 裕子 氏 スポーツプロデューサー/元全日本バレーボール選手
1958年福井県勝山市出身。八王子実践高から筑波大学を経て日立に入社。ロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得、引退後は教職の道に転身、全日本ジュニアチームコーチ、Jリーグ理事、日本バレーボール協会理事、政府各種委員会委員などを務めた。現在は日本スポーツ少年団副本部長、日本バレーボール協会評議員、日本バスケットボール協会副会長等を務める。スポーツプロデューサーとして「健康寺子屋」を発起し、東日本大震災後は被災地の健康支援を積極的に行っている。
野田 聖子 氏 衆議院議員
1960年生まれ。上智大学外国語学部卒業後、帝国ホテルに入社。1993年の初当選以降、衆議院議員として連続8期当選。郵政大臣、消費者行政推進担当大臣、宇宙開発担当大臣、自民党総務会長などの重要な役職を歴任。現在は衆議院災害対策特別委員長を務める。