イキイキごはん
季節の食材を使った、簡単でおいしいお料理を、管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師の堀 知佐子先生がご紹介します。

「アジ」という名前は、味がいいところからついたと言われており、ほどよく脂の乗った味が四季を通じて好まれ、家庭で食べる魚介類の上位を占めます。
ほぼ1年中出回っていますが、5〜7月は産卵前で脂が乗って、旨味が増します。アジ科の魚はからだの中央側に「ゼイゴ」と呼ばれる菱形のトゲのような形のうろこが尾ヒレの付け根から肩口まであるのできれいに取り除きましょう。鯵は旨味が強いわりに青魚独特の癖が無いので刺身はもちろん、塩焼きや煮つけ、フライなどメニューのバリエーションが広がる魚です。栄養面ではEPA・DHA・カルシウムなどが豊富で子どもからシニアまでお勧めしたい食材です。
赤紫蘇はシソニンというポリフェノールを含んでいます。これは強い抗酸化作用があり身体のサビを取るとされています。カリウムも多く含むのでむくみの解消や腎臓の働きを助けます。旬の6〜7月にジュースを作れば、夏バテに効果的でしょう。
1人分 124kcal、塩分0.7g

- 鯵は3枚におろして中骨を抜く。塩を振り10分ほどおき、酢を回しかけて10分おく。皮を取り、そぎ切りにする。
- 大葉・生姜は千切、小ねぎ・みょうがは小口切、かいわれ大根は1cmに切り、ボウルに入れて胡麻とオリーブオイルを合わせておく。
- 器に鯵を盛りつけ[2]をたっぷりとのせる。
鯵に特有のゼイゴは、肩口までしっかり取りましょう。骨に沿って包丁を入れるときれいにおろせます。
1人分 72kcal、塩分0g
![[赤紫蘇ジュース]
赤紫蘇(茎ごと)・・・150g
水・・・1リットル
キビ糖・・・150g
レモン汁・・・50㏄
[赤紫蘇ゼリー]
赤紫蘇ジュース・・・200㏄
ゼラチン・・・4g
ミント・・・少々](../images/vol_03/recipe_02.gif)
- 鍋に水を入れて沸騰させ、刻んでよく洗った紫蘇を入れて15分ほど煮込む。火を止めてレモン汁を加える。
- [1]をキッチンペーパーで漉す。別鍋に入れ、キビ糖を加えてよく煮溶かし赤紫蘇ジュースを作る。
- ゼラチンをよくふやかしておく。
- 鍋に[2]の赤紫蘇ジュースを入れて温め、[3]を入れてよく溶かす。器に流し冷やし固め、ミントを飾る。
赤紫蘇はレモンなどの酸味が加わると発色します。火を止めてからレモン汁を入れるとビタミンCの損失が防げます。
管理栄養士・食生活アドバイザー・調理師。日本抗加齢医学会正会員。調理指導師協会会長。京料亭「菊乃井」を運営する株式会社菊の井・常務。また東京・千駄ヶ谷のレストラン「ル・リール」のオーナー兼シェフ。 調理師専門学校の講師を経て、大手食品会社、飲食店・中食事業のメニューアドバイスや食生活全般における指導・顧問などで活躍。著書に「毎日おいしいアンチエイジングクッキング 素材選びと調理法」(講談社)など。