今月の「健康保険」
2008年
9月号
視点
時の流れ

 福田首相が突然辞任した。17閣僚のうち13閣僚を入れ替える大幅改造で、ようやく「自前」の体制を整え、8派閥中6派閥のトップが閣僚や党4役に名を連ねる重厚な布陣を引いたばかりだったが、世論調査によると、内閣支持率は横ばいもしくは微増にとどまっていた。
 福田内閣は、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指す財政再建目標を踏襲していたが、与党内からも社会保障費の毎年2200億円削減は「限界」との声があがっていた。路線対立が先鋭化していたのも退陣原因の1つか。
 さて、そのような状況の下、臨時国会召集は自民党総裁選実施に伴い、大幅に遅れる見通しだ。国会運営は後継首相の判断次第では、早い時期の衆院解散・総選挙含みで推移するとみられ、先行き不透明の感は拭えない。

8月号
視点
時の流れ

 健保連は、7月18日に第177回総会を開催し、07年度の一般会計、各特別会計の決算等を了承した。平井克彦会長は、冒頭挨拶で、後期高齢者医療制度の見直しについて言及し、高齢者医療は65歳以上のすべての高齢者を対象にした制度とし、必要な公費を投入すべきであると主張した。
 政府は、29日、社会保障分野で緊急に取組む対策をまとめた「五つの安心プラン」を公表。高齢化社会への対応、医療体制の強化等、五つの柱に沿って対策を盛り込んだ。それらは同日に閣議了承された来年度予算編成に向けた概算要求基準(シーリング)に反映されたが、その一方で、シーリングでは骨太方針2008を踏まえ、来年度も社会保障費2200億円の抑制を行なうことも盛り込まれた。

7月号
視点
時の流れ

 後期高齢者医療制度の改善策が決定した。保険料追加軽減策が柱となっている。今回の見直しは、制度の根幹には触れず、結論が先送りされた検討課題もあり、批判が鎮静化すると見る向きは少ない。
 社会保障国民会議の中間報告では、今後は社会保障の機能強化に軸足を移すよう求め、必要な財源確保を図るべきだとしている。一方、政府の経済財政諮問会議が策定する方針「骨太2008」では、最大限の歳出削減が謳われている。後期高齢者医療制度の見直し等による社会保障関連の新たな歳出増の財源を捻出するには消費税率の引上げに関する議論は避けて通れないが、諸々の思惑が絡み、首相の発言にもぶれが見られるなど、先が読めない状況だ。

6月号
視点
時の流れ

 政府は「骨太方針2006」のなかで、07年度からの5年間で国が負担する社会保障費を1兆1千億円削減する方針を打ち出した。08年度については政管健保への国庫負担を健保組合などに肩代わりさせる案が示され、健保連は08年度限りの措置とすることなどを条件に、苦渋の選択として受け入れたことは記憶に新しい。この政管健保支援特例法案は衆議院で継続審議となった。
 問題は、09年度に再びこの肩代わり問題が浮上してくる可能性がくすぶっているということだ。健保連では、常任理事会の下に設置された財政調整・一元化阻止特別委員会を中心に、二度とこうした理不尽な案が持ち上がらないよう、関係各方面に働きかけていく方針だ。

5月号
視点
時の流れ

 予算早期集計結果によると6,322億円もの巨大な赤字額が計上された。対前年度比3,924億円の増である。予算数値ではあるが、過去最大の赤字となった02年度決算の3,999億円を大きく上回っている。03年度以降、総報酬制の導入などによって一息ついていた健保組合財政だが、制度改正の効果も薄れ、07年度予算に続いて再び赤字となった。08年度にこれほど赤字が増大したのは、制度改正に伴う、新たな高齢者医療制度に係る拠出金が大幅に増加したのが最大の原因だ。さて、その新制度の目玉でもある75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度。この4月からスタートを切ったが、周知の不徹底や徴収ミスの続発などにより厳しい船出となっている。

4月号
視点
時の流れ

 健保組合にまたしても財政危機が。この4月にスタートした新たな高齢者医療制度への納付金などの負担が当初の予測を大幅に上回り、このままでは今年度の健保組合の財政に大きな打撃を与えることが分かってきた。健保連は厚生労働省に対して、実態把握と計算方法の見直しなど早急な対応を求めた。一方、国会では、政管健保への国庫負担の肩代わり法案の審議がはじまった。野党が反対姿勢を示しており、法案の行方はまったく不透明な情勢だ。そもそも肩代わり法案の元凶は、政府の社会保障費削減方針だ。ここにきて、この方針の“限界論”が各方面から噴出している。今後の社会保障国民会議、経済財政諮問会議等の動向が注目される。